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主催
日本の人事部「HRアワード」運営委員会
後援
厚生労働省

入賞者一覧

日本の人事部「HRアワード」2020トップ > 入賞者一覧:企業人事部門

企業人事部門

株式会社オカムラ:
行動を変える、意識を変える、会社を変える、そして早く帰る!
社員全員で取り組む、働き方「カエル!活動」

働き方改革を目的とした社内プロジェクトの一つとして、従業員が自分たちの意思によって業務改善や意識改革を行い、ありたい姿を実現する、働き方「カエル!活動」を展開。「行動を変える、意識を変える、会社を変える、そして早く帰る!」というコンセプトのもと、さまざまな施策を展開している。

各拠点で定期的にミーティングを行い、課題を抽出。会議時間の短縮やICTの活用による業務の効率化、連携を深めるためのコミュニケーションの改善などを実現してきた。

月1回、全社掲示板に社内広報「カエル!NEWS」を掲載し、具体的な活動事例を紹介。各チームが施策進捗と成果を発表する報告会を開催するなど、良い取り組みがあれば全社で共有するようにしている。

この活動の原点には、同社の「Work in Life」(人生にはさまざまな要素があり、その中の一つとして仕事がある)という考え方がある。全社員が参画して生産性向上の目標を達成できるように活動するプロジェクトだ。

【企業情報】https://www.okamura.co.jp/

カゴメ株式会社:
多様な働き方を推進して、より良い働き方と暮らし方を実現 
社員がイキイキと働くための「生き方改革」

「働き方改革」はあくまで会社側の論理であり、個人には「暮らし方改革」がある。そう考えたカゴメはその二つを合わせた「生き方改革」を提唱し、さまざまな制度を導入している。すべては「より良い働き方や暮らし方ができれば、もっとイキイキと働ける」という考えに基づくものだ。

例えば、社員が働く地域を選べる「地域カード制度」。育児や配偶者との同居など会社が認める個人の事情に限り、一定期間勤務地を固定したり、希望の勤務地へ転勤したりすることができる。

副業制度も導入した。特徴は他社と雇用契約を結んでも良いこと。ただし、利用対象者は年間総労働時間が1900時間未満という条件がある。また健康確保の観点から、副業時間は本業での時間外労働と合計して45時間/月以内としている。長く働き過ぎている人は副業制度を使えない。

働き方のオプションを数多く用意することで、自律的にキャリアを決められるように工夫。会社と個人のフェアで対等な関係を実現している。

【企業情報】https://www.kagome.co.jp/

Japan Digital Design株式会社:
従業員体験設計(Employee Experience Design)を基軸とした組織開発の取り組み

Japan Digital Designは、バックグラウンドの異なる従業員の多様な働き方への対応、従業員同士の共創促進が必要であると考え、2020年4月に組織開発を推進する横断組織としてコーポレートカルチャー(CC)室を新設した。従業員の入社から退社までのジャーニーを作成し、就業期間における従業員の期待や要望を明確化。従業員体験を「従業員間の関係性」として捉えることにより組織として目指すべき姿を構想。

入社手続時の不安を解消する内定者向けサイト、従業員同士のコミュニケーションを円滑にするアプリ、多様なプロジェクトに対応するオフィス環境など、オンラインとオフラインを融合した取り組みを実施。CC室をCXO(Chief Experience Officer)の管轄とし、社内のUX(User Experience)デザイナーと連携する組織体制としている。

本取り組みにより、従業員視点での組織開発を推進するとともに、CC室が、継続的に従業員のニーズや声をすくい上げ、施策の評価と改善を行う組織として機能している。

【企業情報】https://japan-d2.com/culture

住友重機械イオンテクノロジー株式会社:
地元のガチ課題解決を通じた企業連携型リーダーシップ開発「DAIS-PJT」

「DAIS-PJT」は、従業員のリーダーシップ開発と地方貢献を兼ね合わせたアクションラーニング型のプログラム。リソースが限定されている地方の中小企業だが、プロジェクトで地域の関係者と協働することで、人材育成や採用のハンディキャップを克服している。

プロジェクトは、Diversity(多様性) Authentic(本物の) I (自分・リーダーシップ) Social(社会的な) の頭文字から名付けた。参加するのは、地元愛媛県に縁のある企業の次世代リーダー候補。異業種混合のチームを結成し、地元市役所や地元プロスポーツ団体などから提供されたリアルな課題の解決策を話し合い、提案をまとめる。またチームにはフィードバックを専門に行う「チームサポーター」が入り、参加者に内省の機会を与える。これらの過程を通じ、課題解決力やリーダーシップの開発を図る。

取り組みを通じて、人材育成での成果はもちろんのこと、参画企業でのビジネス連携、Iターン人材の獲得などの副次的な効果も得られている。

【企業情報】https://shi-ion.jp/

TDCソフト株式会社:
アジャイル開発手法を活用!
不確実な時代に機敏性・柔軟性を高める『リーン・アジャイル組織』の実践

2019年度からの中期経営計画で「高付加価値化とモデル変革による、新規分野の売上高構成比率20%」を目標に、顧客のデジタルビジネスを推進する価値創造型SIサービス開発と収益モデル構築を進めている。

ビジネステーマやプロジェクトごとに、部門や役職の枠を超えた5~10人規模のクロスファンクショナル組織を設置。「リーン(無駄を削ぎ落とした)」と「アジャイル(素早い)」の考え方をベースに、活動内容を毎日、2週間、3ヵ月の三つの間隔で確認し、プラン設計や軌道修正を行いながらゴールに向けて活動している。

参加した社員にアンケートを行ったところ、参加前と比べて「仕事にやりがいを感じる」「組織の風通しの良さを感じる」との回答が増加。所属部門の事業課題に対するプロジェクトを起案する社員が出てくるなど、イノベーション創出の仕掛けとしても定着した。価値創造型SI領域の売上高構成比率も伸びており、2019年度で6.8%に拡大している。

【企業情報】https://www.tdc.co.jp/

凸版印刷株式会社:
新入社員研修の在宅オンライン化と独自プログラムによる教育革新

新型コロナウイルス感染拡大を受け、新入社員417名の研修を在宅オンライン形式で実施。従来の集合研修から大幅に内容を見直し、短期間に、ライブ配信、動画コンテンツを含めた約50のオリジナルコンテンツを企画、提供した。

期間中20人に1人の割合でトレーナーを配置するサポート体制を構築し、毎日のコミュニケーションワークを実施するなど、在宅下で受講する新入社員の不安感を緩和する環境を整えた。

また、コンディションに関する教育と独自開発アプリにより社員同士が競い合いながら自身の体調管理が出来る仕組みを提供。さらに、脳科学の知見によるストレスマネジメント、臨床美術を通じたワークショップ、社会的課題解決プログラムなどを実施した。

結果、研修終了後の総括アセスメント平均は過去最高の95.9点となった。今後、全研修を分散オンライン型へとシフトし、ニューノーマル時代に向けて学びを革新させるとともに、働き方改革にもつなげていく予定。

【企業情報】https://www.toppan.co.jp/

株式会社ニトリホールディングス:
社員の好奇心を起点とした、テクノロジーを使ったキャリア開発

ニトリは2032年までに現在の約5倍となる売上高3兆円を目標としている。その成長を支える「自律型人材」を多数精鋭教育によって輩出することを目的に、タレントマネジメントシステムを導入。テクノロジーを活用し、個人の好奇心を見える化した上で、ラーニング機能をフル活用し、それぞれの志向にマッチした学習や配置転換の機会を提供している。

タレントマネジメントシステム側で個人の学習状況や学習態度を分析し、個人に合わせたカリキュラムをオススメコンテンツとして配信。同時に人事側では、分析された個人の興味や学習態度から、研修の受講者決定や抜てき人事に活用している。

個人の想いが配転に反映されるため、従業員のエンゲージメント向上にも寄与。実際、「将来の夢がある」と回答するニトリ社員は8割を上回る。

起点はあくまで個人の好奇心で、人事は「従業員を支援する立場」を貫きながら、個人のキャリア構築につながる多数のしかけをつくっている。

【企業情報】https://www.nitorihd.co.jp/

日本電気株式会社(NEC)、NECマネジメントパートナー株式会社:
BIとAIを活用した従業員のエンゲージメント向上施策

NECグループは2018年度からトップの強いコミットのもとでカルチャー変革を進める中、社員のエンゲージメント向上を重要指標に設定。その一環として、BI(Business Intelligence)とAI(Artificial Intelligence)によるエンゲージメント向上施策を展開している。

BIでは、データアナリストによる分析テンプレートを活用し、注目ポイントや課題抽出など、事業部の人事担当者が見るべきポイントを底上げ。事業部長とデータを見ながら意思決定するマネジメントスタイルに変化し、施策スピードの向上に貢献した。

AIでは、ホワイトボックス型AIである異種混合学習(NECのOnly1技術)を用い、サーベイデータ活用を高度化。エンゲージメントとの関係性を明らかにするため、業績、勤怠なども分析対象にすることで、人が見落としていた課題や示唆を抽出できた。

エンゲージメントサーベイのほか、四半期ごとに変革の取り組みの進捗を確認するパルスサーベイも実施しており、施策の立案や軌道修正に役立てている。これらの取り組みの結果、エンゲージメントを前年比180%向上させた組織も存在する。

【企業情報】https://jpn.nec.com/csr/ja/society/labour_training.html

株式会社 博報堂:
イノベーションの起点となる「クリエイティブ人材」の育成を加速する取り組み

博報堂は、アイデアを生み出し、ブランドや社会のイノベーションを先導する「クリエイティブ人材」を育成するため、さまざまな特徴的な取り組みを行っている。

(1)「アウトプット型研修」。従業員は、コピーライティングから事業開発まで幅広い「アイデア開発」の課題演習を繰り返し行う。最近流行しているアクティブラーニングも同社では伝統となっている。クライアントの胸を借りて行う、実務連動研修も盛んだ。

(2)「アップデートされたOJT」。一人の師匠に学ぶ「徒弟制」から、複数のロールモデルから自分のスタイルを探り、自ら創る「サーチライト型」のOJTに変更した。

(3)「クリエイティブ風土強化」。社内の至るところで、組織が「クリエイティブであること」を推奨、それが評価にも反映される。「粒ぞろいより粒違い」の採用・育成で、常に「自分とは違うもの」から新しい知識やスキルを学べる。

これらによって、同社のクリエイティブ人材が社会に新しい価値を生み出す事例が出始めている。

【企業情報】https://www.hakuhodo.co.jp/

株式会社富士通ゼネラル:
ゼロから始める健康経営~社員がいきいきと働き、幸せを自走するために~

富士通ゼネラルは、健康経営を2017年に健康宣言で「社員の健康=いきいきと働くこと」とうたい、CHOの社長のもと、トップダウンで始動。専任の健康経営推進室は「なぜ健康経営に取り組むのか」というストーリーを立て、社員の納得と関心を得ている。

「社員の幸せとライフでの自律」を軸に、「健康は自己責任」が常識だが、自分の健康・幸せは自分でデザインをするとし、2019年には、リフレッシュとイノベーション創出するスペース「健康デザインセンター」を開設。更にイノベーション創出のため他部門交流のコミュニティ提供など、産業保健だけでない施策を展開。社員に寄与だけでなく、部門間交流や、顧客とのコミュニケーションの場として機能している。

社員から「健康経営の施策はありがたい」という声が上がるなど、健康の捉え方、健康寿命などの意識に変化が生じている。更に働き方改革、ダイバーシティ、キャリアなど、人事に関する課題一助にもなっている。

【企業情報】https://www.fujitsu-general.com/jp/

株式会社ポーラ:
「現状課題解決型」から「ありたい姿の実現」へ。
「Sense & Innovation」に基づく組織風土改革の取り組み

ポーラは、2017年より「Sense & Innovation(=S&I)」というスローガンの下、組織風土改革に取り組んできた。国内はもちろん、グローバルでも展開し、仕事への姿勢や行動の変化を実感している。

S&Iは、組織視点で現状課題を解決する姿勢から脱却し、共感力と創造力を大切にしながら市場視点で一人ひとりがありたい姿を描き、実現へ取り組むことを目指す。各部門にはS&Iリーダーを配置し、改革をけん引。S&Iを体現した活動の大賞を決める「ブランディングアワード」、先進的な活動を全社発信する「ブランディングニュース」、また目標・評価項目にS&Iの要素を組み込んだ「人事制度との連動」など、社員が常に意識し行動するよう設計した。

社内では組織風土に対する意識が高まり、サーベイでも「全社的な連帯感」「変化し続ける意識」などの数値が大きく改善。また、S&Iを機に生まれた取り組みは、秋田県での「県とポーラとの包括連携協定の締結」、ポーラ香港における「大幅な離職率改善」など、成果を出している。

【企業情報】https://www.pola.co.jp/company/recruit/career/about/benefit.html#anch_award

ボッシュ株式会社:
価値創出1億円超~「仕組み」で成功する、離職ゼロの精神・発達障害者雇用!

ボッシュは2017年11月、障害者雇用専任組織(BSC)を発足以来、27人を採用・雇用(全員精神・発達障害)。1年以内離職率が5割と言われる障害種にあって、「仕組み」の構築によって、平均勤続22ヵ月ながら離職ゼロを続けている。
その仕組みとは

(1)「職業リハビリテーションによる自己実現」理念と「障害者扱い・特別扱いしない」方針
(2)7段階の入社前マッチング(最大の勤続要件!)
(3)管理者の専門職(ジョブコーチ)としてのマインドセットと自己研さん
(4)チャレンジングな業務開発と権限・裁量委譲による自律促進
(5)人事制度(正社員登用等)整備とキャリア面談
(6)実質ゼロ時間からのリワーク制度
(7)ES(従業員満足度)調査

などである。その成果として、翻訳、社内研修・自己啓発業務運営、RPA(Robotic Processing Automation)など、高難度の業務を含め、年1億円を超える価値を生み出している。

【企業情報】https://corporate.bosch.co.jp/

楽天株式会社(楽天グループ):
ニューノーマル時代における「ウェルネス・エンパワーメントプロジェクト」

楽天では、社員の「ウェルネス」を支援(エンパワーメント)すべく、2019年に人事部とは別に「ウェルネス部」を設立。2020年はコロナ禍により、社員の労働環境が在宅勤務中心に移行。対面ではなくオンラインで社員の心身の健康への認知向上と行動変容を支援することが必要と考え、ニューノーマル時代における「ウェルネス・エンパワーメントプロジェクト」を立ち上げた。

課題把握:社員の心身の健康に関する個人・環境の課題を調査で収集・分析
知識・関心:マインドフルネス、腸活、姿勢などに関するオンラインセミナーを定期開催
実行支援:全社集会でのストレッチ、各部のオンライン会議で出張エクササイズ
維持・継続:英語版オリジナルラジオ体操+マインドフルネス瞑想を、役員・社員・家族が毎朝実施。参加を促す仕組みも提供

同社では、これらのオンラインにおける取り組みがニューノーマル時代における生産性の向上やウェルビーイングの実現につながると考えている。

【企業情報】https://corp.rakuten.co.jp/